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「エコ住宅」と「国の補助金制度」について 第2回目
エコ住宅、設備における国の補助金・助成金
「長期優良住宅の優遇措置」について
前回は、長期優良住宅の主な概要について解説いたしました。
20年や30年ですぐに建て直しを迫られる家ではなく、良質で長期的に使用できる住宅は、資産としても十分に次世代に残してあげられる基準にまで引き上げられました。
劣化対策、耐震性、省エネルギー性などの住宅性能が高く良質な住宅ですが、当然に建築コストは高くなってしまいます。
しかし、長期優良住宅の普及に向けて、様々な優遇措置が図られていますから、うまく活用していってほしいと思います。
税金の特例措置
1.住宅ローン減税
住宅ローン減税(平成21年から適用)では、一般住宅で500万円の最大控除に対し、長期優良住宅の場合は、最大600万円までの控除があります。
また、これまで所得税だけを対象にしていた住宅ローン減税が、住民税からも控除されます。
所得税から控除しきれない場合には、翌年度の住民税から控除を受けることができます。
財務省発表の平成19年度税制改正の詳細や、バリアフリー改修工事に伴うバリアフリー改修促進税制について、居住用財産の譲渡に係る課税の特例などは財務省のホームページに分かりやすく掲載がありますので、一読しておくと良いでしょう。
2.贈与税の減税
贈与税(直系尊属から)の非課税枠拡大について、現在の500万円から、平成22年中に受けた者は1,500万円、平成23年中に受けた者は1,000万円に引き上げとなります。ただし、贈与を受けた年の合計所得金額が2,000万円以下の対象者に限定されます。これらは、平成22年1月1日以後の贈与税から適用されます。
更に、小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例について、相続人等が相続税の申告期限まで事業又は居住を継続しない宅地等(現行200㎡まで50%減額)を適用対象から除外するなどが見直されます。(2009年12月22日現在)
3.投資型減税
現在年間で、持家取得の約70万戸のうち28万戸程度がローンを利用せずに住宅を取得していると想定され、そのようなローンを利用しないで長期優良住宅を取得する人にも適用されるのが、投資型減税です。
投資型減税は、長期優良住宅にするための性能強化費用相当分の10%相当額がその年の所得税から控除されます。
ただし性能強化費用が1,000万円を越える場合、1,000万円が限度額でその10%が控除額となります。
性能強化費用は木造住宅であれば標準的な性能評価費用は1平米あたり3.3万円と試算されますから、例えば100㎡の住宅の場合、性能強化費用は330万円となり、その10%の33万円が所得税から控除される計算になります。
ローン減税とは異なり、対象は所得税のみで、住民税からは控除されません。また、控除額がその年の所得税額を超える場合は、翌年分の所得税額から控除することができます。この投資型減税は平成23年12月31日まで実施されます。
4.その他各種税金の軽減
ローン減税などの他に、長期優良住宅の認定を取得すると「登録免許税」「不動産取得税」「固定資産税」の3税の負担も軽減されます。
住宅ローンの供給支援
1.フラット50の新設
民間金融機関が、長期優良住宅に対し最長50年の住宅ローンを供給できるようになりました。 .フラット50については住宅金融支援機構に詳しく解説があります。
2.フラット35S の内容拡充
「フラット35S」は、省エネルギー性、バリアフリー性、耐震性、耐久性・可変性のいずれか1つの基準を満たす住宅について、10年間金利を0.3%優遇するものですが、認定長期優良住宅では、この金利優遇(0.3%)が20年間に延長されます。
長期優良住宅は、良質な住宅ストックを普及前提に様々な優遇措置が付いていますから、予算に応じて上手に活用しましょう。
長期優良住宅制度の注意点について
現在、長期優良住宅制度は、個人申請で減税優遇を受けられる長期優良住宅(当ホームページで紹介しているもの)と、住宅建設事業者が申請を行う長期優良住宅普及促進事業(・木のいえ推進事業の補助金[上限100万円]・地域材の使用[要件に適合すると+20万円]いずれも事前の適合申請が必要です。)と、長期優良住宅先導的モデル事業(採択された事業には、新築の場合一戸あたり200万円を上限として建築費の1割の補助を受けられる制度です。)の3つの制度があるのをご存知でしょうか。長期優良住宅制度と聞いて、この3つの制度がごちゃ混ぜになって解釈されている方が多いので注意が必要です。(住宅建設事業者が申請を行う二つの制度はリンク先をご参照になって下さい。)また、長期優良住宅普及促進事業では、住宅版エコポイントとの重複、併用ができない点にご注意ください。(既に長期優良住宅認定基準に省エネ基準が含まれており、包括的に補助しているためです。)併用して申請した場合には、補助条件に違反したものとし、交付決定の取消、補助金の返還等の措置が採られるようです。更に、長期優良住宅先導的モデル事業」による補助と、「長期優良住宅普及促進事業」による補助についても同一の住宅に利用することはできない点にもご注意を。